NOGAMI は、現在準備中です。

2025/04/17 16:48

デミカップ&ソーサー『ラブミー』


なんと、NOGAMIの定番作品『ラブミー』が、今回から成形方法で新しい生地に生まれ変わりました!


昨年の夏より京陶さんにご協力いただきながら進めてきたNOGAMIの一つのプロジェクト。

今回から『ラブミー』も「圧力鋳込み型」で成形しています。長年使っていた石膏の押し型もそろそろ寿命ということで、引き続き自分にとって大切な作品を、これからも形にしていけることをとても嬉しく思っています。


(↑今まで使っていた石膏の押し型 /   タタラ技法で作った素地 /   NOGAMIの器をもとに成形してもらった石膏原型 )



素地について簡単に説明しますと、今まではお皿は手押し型の石膏にタタラ状にした土をたたいて形にし、カップは手びねりで成形してました。

今回からの圧力鋳込み型での成形は、まずNOGAMIの器を元に、型師さんにまず石膏で収縮率も計算された原型を作ってもらいます。

その原型から鋳込み型を作り、いくつかの型を積み重ね、圧力で下から泥漿を型内に鋳込んでいくという成形方法です。

鋳込みぐちは小さな点のようなサイズ。素地は磁器になります。

鋳込み作業はそれだけで終わるわけではなく、適度な硬さになってから型から取り出し、程よい乾燥具合の時にバリなどをとり形を整え、ゆっくり乾燥させてから素焼き800度くらいで焼成してもらう流れです。



型成形になっても、陶芸は一つ一つ手作業の世界。成形方法が少し異なるだけで、気をつけなければならないところ、丁寧に作業するのは同じです。



その後の釉薬かけ作業は、今までとほぼ同じですが、陶土から磁器土に変わったので、釉薬との相性が微妙に異なる。その点を注意しながら施釉し、少し乾燥させてから、釉薬の表面を整えてから本焼成します(1250度)。



窯がゆっくり冷めるのに約3日。私は冷め割れ恐怖症なので、室温くらいになるまで窯を開けないと決めてます。笑

(※冷め割れとは→急激に冷めると割れることがある。NOGAMI、一窯分全滅したことがある。)

窯出し後は、丁寧に検品し、高台(器の裏)のざらつきを整えて、やっと作業完了。



(↓写真上2枚は下皿の釉薬をかけている過程)

(↑高台に小さな鋳込み口の跡があります。ハンドル部に鋳込み石膏内で泥漿が出会ったラインがうっすら出ます。)




石膏型師さんとのやり取りから始まり、施釉焼成とここまでたどり着くまでには時間もかかりましたが、焼き上がりもとても良く、私自身とても満足しています。

これまでの雰囲気や風合いはそのままに、たくさんの方の手仕事と思いが加わり、さらに愛情あふれる素敵な器になったと感じています。




ちなみに器に関しての私のこだわりは、器それぞれに個性をつけるということ。成形方法が変わったので、絵付け方法も変わりました。

『ラブミー』のお皿の新聞のイラストを何ページか分作りました。パターンをいろいろな組み合わせにしたり、その上から呉須で絵付けにしたりして、器ひとつひとつ変化をつけてます。カラフルバージョンはカップの方も猫の模様・色、顔や目の色を変えたりと小さなこだわりを込めてます。



私が分厚目の素地が好きなので、デミカップはポッテリしたフォルムにしています。両手でニャンコを包めるサイズです。

これまでの『ラブミー』と共に使ってもらっても雰囲気は変わらず、かつ『ラブミー』の歴史も楽しんでもらえると思います。

( ↑NOGAMIのアトリエの棚にも、歴代の子を並べて『日替わりラブミー』 )



近いうちに、新色モノトーンバージョンとともにNOGAMIのweb shopに並べます。

次はモノトーンバージョンについてもご紹介しますね!!